『小さく分けて考える』書評|仕事と副業の問題を分解する方法

読書

「目標はあるのに、何から始めればよいか分からない」

「頑張っているのに、思うような結果が出ない」

このようなとき、努力が足りないとは限りません。問題や目標が大きすぎて、最初の行動が見えなくなっている可能性があります。

菅原健一氏の著書『小さく分けて考える』は、大きな問題を扱いやすい単位に分ける「分解思考」を紹介する本です。

この記事では、『小さく分けて考える』を書評しながら、仕事や副業の問題を分解する方法を具体例とともに解説します。

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『小さく分けて考える』の基本情報

本書の正式名称は、『小さく分けて考える 「悩む時間」と「無駄な頑張り」を80%減らす分解思考』です。

書籍の基本情報は次のとおりです。

  • 著者:菅原健一
  • 出版社:SBクリエイティブ
  • 発売日:2022年12月9日
  • ページ数:272ページ
  • ISBN:9784815616472

副題には「80%減らす」とありますが、すべての読者の悩みや作業時間が実際に80%減少することを保証するものではありません。本記事では、書籍の副題として紹介します。

著者の菅原健一氏は、株式会社Moonshotの代表です。公開プロフィールでは、SmartNewsでブランド広告やBtoBマーケティングを担当した経歴などが紹介されています。

本書は、漠然とした目標や問題を小さく分け、手をつけられる状態へ変えていく考え方を扱っています。

分解思考とは何か

分解思考とは、大きな問題を複数の要素に分けて考える方法です。

例えば、「副業で成果を出したい」という目標だけでは、今日何をすればよいのか分かりません。

そこで、成果を構成する要素を考えます。

  • 作業に使える時間
  • 提供する商品やサービス
  • 見込み客の数
  • 申し込みにつながる割合
  • 一件あたりの売上
  • 継続して利用してもらえる回数

このように分けると、自分に足りないものや、先に取り組むべきことが見えやすくなります。

ただし、分解の目的は、細かい項目をたくさん作ることではありません。次の行動を決められるところまで問題を小さくすることです。

「分ける」と「分かる」は似ています。大きな問題をそのまま眺めるのではなく、構成する要素を一つずつ確認することで、問題への理解を深められます。


問題を小さく分ける4つの手順

1.目標を一文で書く

最初に、何を実現したいのかを一文で書きます。

「売上を増やしたい」「ブログを成長させたい」のような表現でも構いません。この段階では、考えていることを外へ出すのが目的です。

2.数字や状態を加える

曖昧な言葉を、確認できる数字や状態へ変えます。

例えば「ブログを成長させたい」なら、次のように問い直します。

  • 検索結果での表示回数を増やしたいのか
  • 記事のクリック率を上げたいのか
  • 読者に複数の記事を読んでもらいたいのか
  • 商品リンクのクリックを増やしたいのか

数字を設定できない場合は、「何ができれば達成と判断するか」を言葉にします。

3.構成する要素に分ける

目標に影響する要素を書き出します。

売上なら、単純化すると「購入者数×平均購入額」と考えられます。購入者数は、さらに「訪問者数×購入率」などに分けられます。

ここで重要なのは、すべての要素を同じように改善しようとしないことです。

4.自分が変えられる一項目を選ぶ

最後に、自分で変えられ、比較的小さな負担で試せる項目を選びます。

原因が特定できていない場合は、正解を決めつけず、小さな実験として行動します。

  • 記事タイトルを一つ見直す
  • 商品説明に利用場面を一つ加える
  • 問い合わせの多い質問を記事にする
  • 30分だけ作業時間を確保する

実行後に結果を確認し、必要なら分け方を見直します。

仕事の問題を分解する例

上司から「残業を減らしてほしい」と言われた場合を考えてみます。

すぐに「仕事を速くする」と決めても、具体的な改善にはつながりにくいでしょう。

まず、残業が発生する理由を分けます。

  • 会議が長い
  • 急な依頼が多い
  • 資料作成に時間がかかる
  • 確認や承認を待つ時間が長い
  • 同じ情報を何度も入力している
  • 優先順位が決まっていない

さらに「資料作成に時間がかかる」を分けると、次の原因が考えられます。

  • 必要な情報を探す時間が長い
  • 毎回ゼロから作成している
  • 完成条件が決まっていない
  • 修正回数が多い

この場合、単に作業速度を上げるのではなく、ひな型を作る、保存場所を統一する、最初に完成条件を確認するといった対策を選べます。

問題を分けることで、努力する場所を選びやすくなるのです。

副業ブログの問題を分解する例

「ブログから収益が出ない」という悩みも、そのままでは大きすぎます。

まず、読者が商品を知るまでの流れに分けます。

  • 記事が検索結果に表示される
  • タイトルを見て記事を開く
  • 本文を読む
  • 商品や関連記事に興味を持つ
  • リンクを開く
  • 販売ページで購入を判断する

検索結果での表示回数が少ないなら、検索されるテーマや記事数を見直す必要があります。

表示されているのにクリックされないなら、タイトルが検索意図に合っているかを確認します。

記事は読まれているのに商品リンクが開かれないなら、商品を紹介する理由や、どのような人に向いているかが伝わっていない可能性があります。

購入されない原因が、必ずブログ内にあるとは限りません。価格、在庫、販売ページの分かりやすさなど、運営者が直接変更できない要因もあります。

そのため、自分で変えられる要素と変えられない要素を分けることも重要です。

分解するときの3つの注意点

分解思考は便利ですが、細かく分ければ必ず正解が見つかるわけではありません。

細かく分けすぎない

項目を増やしすぎると、整理そのものが目的になってしまいます。次の行動を決められたら、いったん分解を止めて実行します。

推測と事実を分ける

「読者は長い記事を嫌っている」と考えても、実際のデータを確認しなければ推測にすぎません。

検索での表示回数、クリック数、読まれているページなど、確認できる情報と自分の予想を区別します。

全体像へ戻る

一つの数字だけを改善すると、別の問題が起きる場合があります。

例えば、記事タイトルを強くしてクリック数が増えても、本文と内容が合っていなければ読者は離れてしまいます。

一つの要素を改善した後は、最初の目的に近づいているかを確認しましょう。

『小さく分けて考える』を読んだ感想

本書のよいところは、「もっと頑張る」という曖昧な解決策から離れ、どこに努力を向けるかを考えられる点です。

特に、目標を要素だけでなく期間でも分ける考え方は、行動を決めるときに役立ちます。

一年後の目標だけを見ていると遠く感じますが、半年、三か月、一か月、今週と分ければ、現在すべきことを考えやすくなります。

一方で、問題の分け方は一つではありません。最初から正しい分け方を見つけようとすると、かえって動けなくなる可能性があります。

まず仮の分け方を作り、一つ試して、結果を見て修正する。この使い方が現実的です。

また、本書の副題にある「80%減らす」という数字は印象的ですが、読者全員に同じ効果が出ると考えないほうがよいでしょう。

本書の価値は、特定の削減率よりも、問題を扱える大きさに変えるための視点を学べることにあります。

この本がおすすめの人

『小さく分けて考える』は、次のような人に向いています。

  • 大きな目標を前にすると動けなくなる人
  • 頑張っているのに成果につながらない人
  • 問題の原因を整理したい人
  • 仕事の優先順位を決めるのが苦手な人
  • 副業で何から改善すればよいか迷っている人
  • 数字を使って目標を考えたい人

一方、決められた業務手順や専門知識を知りたい人には、目的が異なる可能性があります。

本書は、個別の正解を教えるというより、自分で問題を整理するための考え方を学ぶ本です。

まとめ:次の一歩が見える大きさまで分ける

『小さく分けて考える』から学べるのは、大きな問題を一度に解決しようとしない姿勢です。

  • 目標を一文で書く
  • 数字や確認できる状態を加える
  • 目標を構成する要素に分ける
  • 自分が変えられる一項目を選ぶ
  • 小さく試して結果を確認する

問題を小さく分けても、すぐに正解が分かるとは限りません。

それでも、何に悩んでいるか分からない状態から、次に試す行動を選べる状態へ進めます。

今抱えている問題を紙に一つ書き、その問題を構成する要素を三つに分けてみてください。

今日できる一項目が見つかれば、それが最初の一歩になります。

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参考資料

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