📘しんどい時代の「幸福戦略」とは?――橘玲が語る「合理的に幸せになる方法」

読書

私たちの多くは、日々の暮らしの中で「なんだかしんどい」「このままでいいのか」と感じています。社会は便利になったはずなのに、幸福感は一向に上がらない――。
そんな現代において、どうすれば「幸せになれる」のか?

作家・橘玲(たちばな あきら)氏の著書『しんどい世の中でどうすれば幸せになれますか』は、その問いに対して、「感情」や「直感」ではなく、「合理性」と「脳科学」からアプローチする異色の幸福論です。


🔍1. 感情に頼らない“戦略的幸福論”

橘氏の提案は一貫してシンプルかつロジカルです。
「なぜ現代人はしんどいのか?」という問いに始まり、経済・脳科学・心理学などの知見を通して「どうすれば幸せになれるか?」を解き明かします。

ポイント:
「努力しないと幸せになれない」という思い込みを捨て、「脳のクセ」に合わせて合理的に幸せを設計する視点が新しい。


😫2. 現代が「しんどい」理由

  • 「自分らしく生きろ」という呪い
    → 自由の裏で選択の重圧と比較の地獄が生まれている。
  • 社会構造の変化
    → 安定した「普通の幸せ」がもはや保証されない。
  • SNSによる承認欲求の暴走
    → 他人の幸福が可視化されすぎ、自分の不幸が浮き彫りに。

私たちは「生きづらさを感じやすい環境」に適応してしまっているのです。


🧠3. 幸せになる「3つの回路」

橘氏は「幸福には3つの回路がある」と提唱しています。

  1. セロトニン的幸福(安心・健康)
    → 睡眠・運動・食事といった“心身の安定”。
  2. オキシトシン的幸福(つながり)
    → 信頼できる他者との関係性。
  3. ドーパミン的幸福(刺激・達成)
    → 目標達成や新しい挑戦など。

この3つのバランスが、持続可能な幸福感につながると説かれています。


💡4. 幸福にも「コスパ」がある?

  • 年収UPによる幸福感は、一定ラインを超えると逓減する。
  • 日常の快適さや小さな楽しみのほうが効率が良い。
  • 「べき論」に縛られることは、最も非効率な幸福戦略。

つまり、幸福も「費用対効果」で見直すべきなのです。


🏗5. 幸福は「設計」できる

著者が繰り返し強調するのは、「幸福とは環境設計の結果である」ということ。

たとえば…
・SNSから距離を置く
・睡眠の質を高める
・嫌な人とは距離を取る
・好きなことを毎日10分でもやる

こうした小さな設計の積み重ねが幸福を生むのです。


✅まとめ|“しんどい時代”の中で見つける希望

『しんどい世の中でどうすれば幸せになれますか』は、現代人の“不安としんどさ”に合理的に向き合うためのヒントが詰まった一冊。

「がんばれば幸せになれる」ではなく、「がんばらなくても幸せを感じる仕組みを作る」という視点は、多くの人にとって救いとなるでしょう。

今がしんどいと感じている人ほど、ぜひ手に取ってほしい本です。

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