『給料戦争』感想|日本の年功序列と評価制度の矛盾を鋭く突いた問題提起の書
「なぜ頑張っても給料が上がらないのか?」
日々仕事に追われる中、そんな疑問を感じたことがある方も多いのではないでしょうか。竹内謙礼さんの『給料戦争』は、日本社会に深く根付いた「年功序列」という制度の裏側と、今の会社員たちが抱える葛藤を、リアルな視点で描いた一冊です。
本書はフィクションの形をとりながらも、現実の職場で起きていそうな出来事ばかり。読み進めるたびに「これは自分の会社でもあり得る話だ」とゾッとさせられます。
この本を選んだ理由
「頑張っているのに評価されない」と感じていた自分の思いを整理したくて、書店で手に取ったのが本書でした。
また、X(旧Twitter)でも「まるで会社の内部事情を暴露しているよう」と話題になっていたため、気になって読んでみました。
本の要点・概要
- 著者は「年功序列」と「成果主義」のはざまで揺れる報酬制度を描いています。
- 物語形式で展開され、登場人物たちの葛藤を通じて“現代の評価制度の矛盾”を浮き彫りにします。
- 「どちらが正しい」ではなく、「何を大事にするか」が問われる構成になっています。
印象に残った言葉・フレーズを3つ
給料は“正しさ”ではなく“仕組み”で決まる
評価されないことに怒るのではなく、評価される場をつくる努力をしろ
組織に居る限り、ルールに従うか、ルールを変えるしかない
この本から得た学び・気づき
最も強く感じたのは、「正しくても評価されない現実」が確かに存在するということです。
努力や実績が認められないと感じていたのは自分だけではなく、多くの人が同じような悩みを抱えていることがわかり、少し肩の力が抜けました。
また、「会社の制度=絶対ではない」という気づきも得られました。
ルールに文句を言う前に、自分がどう立ち回るか、どのルールで生きるのかを選ぶ意識が重要だと感じました。
明日から実践したいこと
- 自分の実績を“見える化”する(例:成果を数値や報告書に残す)
- 不満を言う前に「自分にできる改善」を一つ探す
- 評価をする側の視点でチームを見る(管理職の立場をシミュレーション)
こんな人におすすめ
- 「努力が評価されていない」と感じているビジネスパーソン
- 成果主義と年功序列の狭間で迷っている中堅社員
- 人事・管理職として評価制度に関わっている人
- 会社組織の構造的な問題にモヤモヤしている方
- ビジネス小説でリアルな問題を考えたい人